MAYA MYTH


マヤの神名おまけ



 中公文庫版ポポル・ヴフ。
 の、創造神話において大量の神名があげられているのですが、それを「神名辞典」に追加するか悩むところなので、とりあえずここで取り上げたいと思います。

 別の資料による「創造・洪水神話」において、創造に携わる神としてフラカン、グクマッツ(またはククルカン)、シュピヤコシュ、シュムカネの四柱をあげました。
 が、中公文庫版によると「創造主(ツァコル)と形成主(ビトル)、テペウとグクマッツ、アロムとクァホロム」が「緑と青藍の羽根につつまれ光り輝」き、そのため「その名をグクマッツといった」と記されています。そして「こんなふうにして天があり、天の心があった」と。
 「天の心」はフラカンのことですが(創造・洪水神話Ver.Bを参照してもらえるとありがたし)、グクマッツのほうが異論紛々(というほどでもないが)。

 つまり。
 文章を素直に読むと、「ツァコル〜クァホロムまでの総称=グクマッツであり固有名詞は全てグクマッツの別名」と解釈しできてしまいます。
 しかし、「ツァコルとビトルの二神がいて、他は全て二柱それぞれの別名」、「ツァコル、ビトル、アロム、クァホロムの四神がいて他は全てそれぞれの別名」という説があり、有力なのは「二神説」の方なのだそうです。

 とりあえず「二神説」に従って、あげられた固有名詞を下にまとめます。


ツァコル [創造主] (女神) ビトル  [形成主] (男神)
別名 アロム
 母神、子を産む神
別名 クァホロム
 子を孕ます神
テペウ
 [王][戦勝者]
グクマッツ
 [緑の羽根でつつまれた蛇]
フンアフプー・ヴッチ
 [狐の猟師] 夜明けの女神
フンアフプー・ウティウ
 [狼の猟師] 夜の神
サキ・ニマ・チイス
 [年老いて白毛になったピソテ(熊の一種)]
ニム・アク
 [年老いて白毛になった大猪]
ウ・クス・チョ
 [沼の心][沼の精]
ウ・クス・パロー
 [海の心][海の精]
アフ・ラサー・ラク
 [緑の地の主] 大地の主
アフ・ラサー・ツェル
 [緑の瓜殻][緑の椀] 天の主


 なお、ウ・クス・カフ [天の心]という固有名詞もあげられていますが、これはフラカンのことだと思われます。多分。
 また、アルファベット表記は資料がスペイン語バージョンのため省きました。


神名辞典 maya